オゾン発生触媒

オゾンは大気中で無害な酸素に自然分解することから、半導体や食品などの洗浄剤として注目されています。私たちは電解オゾン生成用の新たな電極触媒としてタンタル窒化物(TaN)に着目し、オゾン生成効率がTaNの結晶構造に著しく依存し、NaCl構造のTaNが高いオゾン生成選択性を有することを初めて見出しました[1]。
亜鉛電解精錬用電極触媒

亜鉛(Zn)は鋼材のめっきや合金材料(真鍮)などに使用される重要な金属元素の一つです。亜鉛の製造方法の一つである電解精錬法の陽極では酸素の発生反応が進行しますが、陰極で進行する亜鉛の還元反応に対し過電圧(反応進行に必要な電圧)が大きく、エネルギー効率向上の妨げとなっています。本研究では、亜鉛電解精錬における酸素発生反応をより効率的に進行するための安価かつ高性能な触媒を開発することを目的としています。これまでに、従来陽極材料として用いられてきた鉛電極上での鉛酸化物触媒の生成挙動について初めてその場ラマン分光法により分析し、電極表面上の局所環境に応じて生成する酸化物の結晶相が変化し、結晶相に応じて触媒活性が異なることを明らかにしました。